娘。小説ってただのエロい妄想だと思ってる人も多いと思うけど俺の好きな娘。小説は違う、という話をします。
吉澤卒業の時にリンク先のsparkleさんがご自分の気持ちを音楽で表現されていて、言葉にできない気持ちのあらわし方としてハッとさせられた。音楽は非言語とは言えないが、感情を表すときに通常使う言葉とは違う、という大雑把な意味でここでは非言語と言ってしまいたい。ニニンさんは非言語でしかあらわせない特別な感情があるということを知っている人だ、と。
(と同時に、5月25日の日記に通常の言葉を使って書かれた気持ちにも私はひどく共感させられています)
なぜこんな話をしたか、というと、言葉であらわせない特別な感情をあらわす方法として、ニニンさんは音楽を、そして私は娘。小説を選んでいる、ということを言いたかったのです。娘。小説は言語を使った表現だけど、私にとっては非言語でもある、と。
では、娘。小説を書く、とはどういうことか?
娘。小説は妄想だし、事実じゃない。でも真実なの俺にとって。
自分の中の真実をモーニング娘。に託す作業、それが俺にとって娘。小説を書くってことです。
真実っていう荷物を娘。っていう舟に乗せて水面を滑らせる。
それが湖であれ川であれ海であれ。ボートであれ筏であれ豪華客船であれ。
いや、中途半端な比喩はやめよう。
大切なものを大切な人に託す。そういう作業。俺にとっては。
じゃあ、娘。小説を読むってどういうこと?
書き手が切り出す特別な瞬間に息を呑み、書き手の娘。への目線に共感する。
そして、知りたかった真実を知ること。
うわ、なんか俺テンションがwww
でも俺、娘。小説書きとしてブログ始めたわけだし、たまにはいよね?
物語じゃなきゃ描けないことは確実にある。人間だものw。人類の歴史は物語の歴史。
や、最近読んだものの感想を書こうと思ったのが発端。
でも娘。小説に興味ない人もいるかなと思って、俺の思う娘。小説とはってのを先に話そうと思って。そしたら若干チカラ入りすぎな感じにw。
えっと、いったい何を読んだのかっていうと、自分と他人の。
自分のは痛いね。
他人のは、他人ってアレだけどリンクさせてもらってるsskbさんのを読んでました。
実は「冬へと走り出そう」と「流星都市」の一部しか読んでなかったんです。
風景がいいよなぁ。
風景ヲタですね?って言いたくなった。
風景っていうのは見られて初めて存在するわけで、風景があるってことは目線があるってことで、目線があるってことは見ようとする意思があるってことで、つまり気持ちがあるってことで、だから、風景がいいと気持ちがいい。
主役は風景なんじゃないかとすら思ったもん。空気と。
あの空気に呼ばれるようにして、吉澤や後藤がスッと現れるんだよ。風景の一部みたいにして。
先に空気があんの。それがすごい。そんで、あの「スッ」の美しさ。
わずかな(時に強い)空気の動きを皮膚で感じる。粒子として感じる。すごいリアリティ。まいったなぁ。
世界の崩壊をそっと食い止めるような娘。小説だと思った。
だって今ここにあのふたりがいなきゃおかしいでしょ。
そしてこんなふうに黙ったりしゃべったりしてなきゃ、世界はゆるやかに崩壊してしまう。
だから書きとめておく。電子の紙は砂浜の新聞紙。
やべーまたテンションあがってきたw
まとめると、sskbさんモテるでしょ?ってことで。
なんだそりゃ。
いや、まじめな話、やっぱ、うまいなぁと思いました。一人称でも三人称でも、俯瞰する目線がある。
それが不思議な落ち着いたトーンを醸す。色で言えば灰色。モノクロじゃなくて。
4色フルカラーでつくった灰色。静止画の美しさ。フレームの切り取り。
何も起こらない物語でも物足りなさを感じないのは、一瞬を本当に一瞬で切り取っているから。
ものすごく鮮度のある野菜の断面みたいなリアルな存在感があるんだよなぁ登場人物に。
近くで見てるのになぜか俯瞰で見てる気持ちになる。俯瞰っていうと突き放してる感じするじゃん?そうじゃないの。白い壁の天井の高い部屋にいるみたいな孤独と安心。
一瞬は永遠、とかね。ちっと恥ずかしいことも言いたくなる。
ナイフを持ってる人だと思う。銀色の。小さいやつ。いい感じで光るやつ。
静止画的ということを考えていたらロテさんのことが思い浮かんだ。
ロテさんの書くものは動画的。
フィルムの速度をここぞ、というときに変えてスローにする。ストップモーションだってある。
被写体にグンッと近づいて体温を感じさせる。レンズだって変わる。照明だって変わる。
sskbさんのキーワードが俯瞰ならロテさんは接近。エロ含めてねw
そんで、緩急。ふっと空気抜けさせて、バーン!
ロテさんが「何日君再来」ヲタになったのわかるなぁって思った。
あのアツさと笑い含めた緩急はロテさんの書くものに通底するものがあるとは言えないかな?(スローモーションだってあったYO!)
あー、今、俺、ものすごくうれしい。
だってさー、sskbさんの感想から派生してロテさんと何日君再来を関連付けて書くなんて
たぶん俺にしかできないことだから。図々しさ含めて。(これデカい)
図々しさついでにじゃあ俺はどーなのか?と考えてみた。
ひとつの単語に集約させるのも2人に失礼だけど、あえて考えてみた。
sskbさんが俯瞰でロテさんが接近なら、pは?
俺は、追跡、かな。
物語の変化、登場人物の変化を追いかけるのが好きだから。
だから話を3つに枝分かれさせたり、起承転結、忙しい展開ってことにも面白がって手を出してる。
気持ちよく俯瞰できるものはなかなかむずかしくて書けないなぁと思う。
アツい緩急もつけてる余裕ないなぁと思う。変化に必死でついていくだけ。
いつのまにか書き手の目線みたいな話になってしまいました。
キャリアも作品数も大先輩なお2人を勝手に引きあいに出してしまって申し訳ないです。
そして、もし俺が本当の娘。小説評論家だったら、目線の次は内容に踏み込むね。
では、それぞれが娘。小説でしかあらわせないと感じた気持ちとは?真実とは?ジャーン!って。
でもそれは無理。言語化できない。言語化できないから娘。小説書いてるわけだから。
さて、と!