「何日君再来」

2007.05.04 Friday 23:10
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    舞台のことは気になるがたくさんの情報は要らない、今は卒業に集中したい、という人を想定して、さらっとしたネタバレなしテキストを書きます。自分もそう思っていましたが好奇心に負けて出かけました。吉ヲタとして一番気になるのは「この仕事はよっすぃにとってプラス?」ということじゃないかと思います。答えは圧倒的にイエスです!辻の降板は不運なことでしたが、まわってきた役が自分のキャラにあってる部分が大きい、というのはすごい幸運だと思いました。さまざまな感情を表現する必要のある役でした。いい経験になると思います。吉澤には今、運が味方してると思いました。大変な仕事ですが吉澤ならやりきってくれる、と思いました。それだけわかれば十分、という方はここまでで。ネタバレない範囲でもう少し知りたい人は続きを。あくまで吉ヲタとして卒業に集中したい人向けなので情報少なめ。偏ってます。あえてテンション低めで箇条書き。劇評として成立してません。(もっといい劇評は俺書けると思うし書きたいYO!)くわしくは後日ちゃんと。

    (5月20日7:40AM頃追記)
    吉澤初日5.13レポ&感想「危うさのマネジメント」
    5.19感想「振動しました」
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    危うさのマネジメント;「何日君再来」2

    2007.05.13 Sunday 20:27
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      「リボンの騎士」は女性的で繊細に構築された世界で「何日君再来」は男性的で破天荒な世界?違う。全然違う。この物語の大胆細心ぶりは一筋縄ではいかない。だってフツー避けるでしょあんなテーマ。日本と韓国、と書いただけでこのブログだってどんな検索でどんな人が見に来るかわかんないし。台湾独立、なんて怖くて書けないよ書いたけど。ここはモーヲタ(あ、もうモーじゃないのか)のブログです。

      吉澤の声は若干高く細く、やや緊張しているように感じた。
      でもラストの(ミカ的にラストの)長セリフ、すごくよかった。
      自分が筧になったような気持ちで見ていた。そうだ、そうだ、その調子だ、そこでもうひとつ張れ、間をとれ、力入れろ、もっとだ、そうだ、と筧はきっと吉澤に目で言ってくれてたと思う。そして吉澤は見事に言い切ったのだ、クライマックスへと物語を動かす重要な重要な重要なセリフを。

      あそこは初日の石川を見ていても難しい場面だなとの印象をもった。
      なぜ難しいのかと言えば、物語に無理があるからである。
      戦争、差別、立場を超えた友情、信頼、仲間、立場が邪魔をする恋愛感情、男の夢、女の夢、命がけの仕事、国を思う気持ち、平和を願う気持ち、歌の力、家族と個人、家族と国、権力欲、豊かさと貧しさ、自由、自立。ざっとあげてもテーマはこんなにある。これすべて盛り込んでも物語が成立しているのは一重に筧の「熱」による。筧ありきの芝居だし、筧の「熱」でギリギリ、かろうじで成り立っている物語だ。そのギリギリ感、ファールになるかならないかのライナーを追いかけて楽しむ芝居だ。

      (5月16日 AM0:50頃この段落加筆&コメント欄に珍説追記。
      ミカの長セリフの難しさは、論点の絞れなさにある。
      ミカは日向の中の「何」に語りかけるのか?リンへの恋愛感情?信頼感?仲間意識?平和を願う者としての正義感?あるいは、いつも隣にいた男を失った悲しみの反動から他者の幸福を願う者としてのミカ自身の叫びなのか?そこが絞りきれない。絞ればいいというものではもちろんないが、たとえば「恋愛」と「仲間意識」は似てるけど違うものだし、こちらもどこを軸に感情移入していいかちょっと戸惑う。筧は説得される側だから黙っているしかない。筧の熱やノリが頼れない。だからこの場面は難しい。)

      個人的には黒木メイサ演じる「リン」の内なる葛藤をもっと感じたかった。リンと日向のパーソナルな物語の濃度を上げてもいいのではと思った。でも、そこに絞るといろいろあぶなくなってしまうんだろうな。単純に言っていろいろな団体からの抗議とか。だから「海に線は引けない」「アジアはひとつ」的な大きなテーマの度合いを上げて着地させる必要があったのではないか。その結果パーソナルな物語の濃度は薄くなったと。好みの問題かもしれないけどちょっと残念だった。

      盛り込み過ぎという意味で、そしてアジアのデリケートな問題を扱っているという意で、この芝居はとても危うい。だが、私はその危うさをマネジメントする作り手の技を堪能した。楽しそうにマネジメントしていたのが良い。豪快、男の料理!って感じだ。なぜそう感じたかと言うと、ここぞ、という物語のターニングポイントのうちいくつかは「冗談」だったからだ。こんなとこでそんな冗談、キムシンならありえねーって思ったw

      どこを指して「冗談」と思ったかというと、ふたつあって、ひとつはミカの歌手名の由来を話した後のオチ。

      あそこは、ミカがこの後も仲間と動きを共にするかどうか、という実は相当重要なポイントだったわけだ。何気なく笑って流れていってしまうけど、あそこでミカが脱落していたら、店長のあのシーンは薄っぺらになっただろうし、クライマックスへ向けて、日向の気持ちを再度奮い立たせる役割は誰がやったのか、などなど考えれば考えるほど重要なシーン。でも冗談。最高だ。

      ふたつめは、クライマックス、日向がリンの前に登場して「なぜここへ?」と尋ねられたときの返事。「泳いできた」。(ネタバレなんで一応白字)
      これもすごい冗談だ。誰も笑わなかったけど、ここ笑うとこじゃね?と俺思った。
      芝居ってこういうのがアリなところが映画や小説と違って、いいよね。俺全然アリだと思ってるんだよ本当にここ最高。そんでさ、そんな無茶をさせたのが我らがミカのあの長セリフなんだよ。ね?すげーだろ?すげーんだよもう。

      ミカの役って、つなぎ粉なんだよね。どっかで聞いた言葉をあえて書くけどw。
      展開点で触媒のように機能して、物語を押す役割。さりげなく押す役割。

      そこに吉澤だ。

      危うい物語の、さらに危うい結節点に、まだ危うさを隠せない吉澤がいた。

      危うさのマネジメントとタイトルに書いた。作り手が危うさのマネジメントを楽しんでやっているのがいい、と書いた。もちろんもうひとつ意味がある。それは吉澤自身の課題。吉澤がこれから自分の緊張をほぐしていくことを含めて「危うさのマネジメント」と書いた。物語と吉澤の両方をその視点で、5月13日、俺は見ていた。

      でも吉澤については全然心配してない。立派だった。いい姿勢だった。見とれた。
      あとは空気。「これ全部俺の空気だ!」と思って息を吸ってくれ。もっと暴れてくれ大臣。
      俺が言いたいのはそれだけ。

      カーテンコールでの笑顔、よかった。ほっとしたような照れたようなうれしそうな。隠れたいような誇らしいような。でもまだ緊張していて。
      スタッフ、キャストの皆さんありがとう。特に筧さん。吉ヲタとしてお礼を言います。

      「歌ってる」吉澤かわいかったなぁ。
      幻のアイドル・吉澤ひとみを見せてもらった。吉澤の魂が別モノだったらフツーにあーゆー姿もアリだったんだよな。でも俺やっぱ、それだったらこんなに好きじゃなかった。でもだからこそ、あーゆーの見れて楽しかったYO!

      口パクってせつないよね。
      一応「アイドル」とされている人にあれをさせるっていうのもおもしろいと思った。本人の意識に絶対何か響くと思うんだよね。歌うって何?って。あたしの声は?って。
      そして一度だけ許されたワンフレーズの価値。

      吉澤が、そしてF列で見ていた高橋、小春、あと誰だ亀?が「歌を歌えるよころび」について思いを新たにする芝居であればなお意味があるなぁと思いました。


      さて、ここでpt-boilからお知らせです。
      これから、このブログは更新の間隔があくかもしれません。

      SSAで俺吉澤に打ちのめされたって言ったじゃん?
      なんかさー「お前はお前の仕事しろ」って言われたような気がしたのね。「お前のリアルは何なの?」って。そういうパンチもらった気がした。

      仕事ってリアルの仕事っていうショボいことじゃなくてさぁ。俺のやるべきことっていうか。そしたら真っ先に浮かんだのが書きかけのアレですよ、娘。小説「フライト・レコーダー」。それ全然リアルじゃなくて妄想じゃん!って猫でもつっこむと思うんだけどさ。それが浮かんでしまった。あれなんとかしようって。

      ぶっちゃけ、ここ来てる人って、娘。小説書きのブログと思ってない人の方が多いような気もする。考察系テキストブログって思われてるような気がする。それはそれで光栄です。

      ブログ休んだからって書けるかどうかわかんないんだけどさ。
      もはや誰も待ってないかもしれないし、誰も待ってなくてもいいんだあれは究極の自己満足。でもそれが足りなかったんだ、ずっと。

      何日君再来はたぶんわりと観にいくから、観たらやっぱブログに書きたくなってあっさり更新してるかもしれないけどさ。ちょっと、ね。

      や、わかんないんだけどさ。(歯切れ悪っ。でもそれがpさんクリッティ)

      あー、好きなものバトンの好きなお菓子、「くずきり」だったかも!黒蜜の!
      てか比べられねー!
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      振動しました;「何日君再来」3

      2007.05.20 Sunday 07:50
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        19夜行ってきた。フツーに感動した。13日には希望の話だと思った。
        でも昨日俺が感じたのは「悲しみ」。いろんな人の悲しみの話だと感じた。
        同じ一日がないように同じ舞台もないんだね。
        詰め込みすぎって前回書いたけどあれは俺のCPUのせいだったのかな。いや、詰め込みすぎは詰め込みすぎなんだけど、昨日は「劇場」の空気がそれこそ川の流れとなって物語をサポートしてたように感じた、nonverbalな部分で。本当にすごい感覚的なことだけど。

        そしてもはやあの役を辻がやっている姿を俺は全くイメージできない。
        特に昨日はそう感じた。この物語の悲しみを支えることは辻には無理だったのではないか。出演者にあわせて演出の修正がなされているとは思うが、それを勘案しても。

        途中から吉澤が気にならなくなった。それはなじんでたってことだと思う。
        声のトーンも間の取り方も初回とは比較にならないほどよくなってた。
        ハーモニーができていたように思う、他の出演者と、ミカの物語と。
        だからよっすぃぽわわわーんんとか思いつつ、同時にそーでもなく観てた。

        あの「それが中国です!」っていう人や、革命を扇動する人の芝居、すごいいいなと思った、言葉と感情のリズム感が的確でカッコイイ。あの2人のズドンっていう存在があるから筧も安心して空を飛べるんだなと思った。

        メイサのアクション。
        惜しいって感じるとこもあったけど、すごい見せ場であることは確かで、なんつーか、初日のスポーツ新聞で石川生着替え!みたいな見出しばっかだったのは本当に気の毒というか申し訳ないというか俺がメイサなら脱力したかもとか思った。

        吉ヲタ的に「あ」と思ったのは、通路に降りて、いったん外にでて、戻ってきて後ろから走ってくるとこ。通路から離れた席だったが、吉澤が走ってくる振動が床から俺の脚に伝わってきた。吉澤の振動!この感覚は初めてだ、と思った。ライブでどんなに最前でも地続きじゃないじゃん?だからその地続き感に「おお」と思った。

        声も振動だよな。
        歌も振動だよな。
        振動が感動、全米が振動だよな。
        だよなだよな、おやすみおはよう、いい天気。

        今朝になって「握手」をふと思った。
        握手だって地続きじゃん?あれは感動じゃねーの?

        確かに地続きだけど、そこには振動がないからなぁ。
        手は接触するし動くし言葉だって少しは行き来するけど振動はない。
        全力じゃないから。振動は全力と仲がいいのだ。

        というわけで石川さんの回がもーいちど見たくなってきたw




        (握手どーでもいい補足)

        じゃー握手には感動しねーの?と言われるとそうだとも言えるし違うとも思う。握手で心が動くのはアーティストの振動というよりもこっちの問題。だから当たり前だけど比べられない。たとえば、ハワイで握手した時、俺は吉澤の身長に「おわっ」と思った。身長は、ステージを見てるときには実感できない。同じ平面で向き合って初めて実感できることじゃん?よしざーさんは俺が前につきあってた人とほぼ同じ背の高さなんだよね。だから向き合って立つと自分の目線の置き方とかが「あれ?この角度、なんかよく知ってる」って感覚になって、一瞬ものすごく戸惑ったんだ、自分で自分に。


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        リセットという成長;「何日君再来」4

        2007.05.28 Monday 07:45
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          娘。だけしゃなく男も卒業。

          と、おーうぇん11さんが書いていて、膝を打つ思いがした。
          補足すると男とは男キャラのことね。(こんなダセー補足はしたくないし、おさんもされたくないと思うが)

          吉澤千秋楽は見れなかったが、この舞台ほんと吉澤のリスタートにふさわしかったと思う。

          できあがったチームにいきなり加入すること。
          怒涛のスケジュールで覚えることたくさん。
          先輩ではなく、新入りとして周囲に気を遣うこと。

          娘。に入った時に似てなくね?
          デビュー時の緊張感、再び。
          そういう意味でもリスタートらしかったと。

          吉澤にとって男キャラは長く身につけた衣服のようなものだ。
          似合わないわけじゃない。カッコいい。でも皮膚じゃない。着替えることをためらう必要はない。
          これは着替えることができるものなんだってちゃんと意識すること。
          最初に手を伸ばす服である必要はないと意識すること。

          キャラをもってキャラを制す。
          役柄を演じることで、意識の構えをふるい落とす瞬間が持てたのだとしたら。
          そのリセット感は大きい。吉澤自身の感覚として大きいと思う。

          そして達成感。
          ハードな状況で、身につけたスキルが彼女を支えた。
          それを実感できたんじゃないかと思う。これも大きい。

          スキルというか、個性、と言ってもいいかも。
          技術の発露としての個性。

          個性って肥料を与えて大事に大事に育てるような、やわなものではないと思う。
          押さえつけても押さえつけても残るもの、伸びてくるものを個性って言うんだと思う。
          だから俺、個性重視の教育と受験やつめこみ教育は矛盾しないと思ってる。
          そんなことでつぶれるものは個性じゃない。

          吉澤の個性はつぶれなかった。
          突発的であったことが逆によかったとすら思う。
          「よかった」と今俺が無責任に書けることに感謝の気持ちが沸く。

          嵐の中でしか見つからないものもある。
          この仕事で、吉澤は自分の内側の「真っ白」に出会ったのではないか。
          SSAで、真っ白になるんだと気持ちを定めて、ひとり立ちして、
          決意がぼやける前にこの機会を吉澤に与えてくれて神様ありがとう。

          本日2回目。あれ、なんかけっこう更新してるな俺。ってことは・・・むにゃむにゃむにゃ。
          ろてさんチャットあったのか。寝てたorz
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          平成レボリューション〜バックトゥザ白虎隊〜、初日

          2007.10.03 Wednesday 22:21
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            つらかった。
            吉澤のカッケーところや萌え衣装については他の人がきっと詳しく書くと思います。
            芝居として、つらかった。長く感じた。今はそれしか書けない。

            この芝居の一番の問題点は、「主演」の人間がテーマの説明役になってしまっていることだ。「主演」の人間がテーマと格闘してねーの。だから感情移入できない。感動できない。理解はできても。

            リボンや何日で熱く書けたのは、作り手のすばらしさが、まず第一にあったからだったんだ、と改めて思った、感謝とともに。カーテンコールっつか最後の吉澤の笑顔に、達成感は確かにあったが。そのことをうれしく思ったが。

            もともと期待していなかったんだ、なんとなく、タイトルからにじむ気配。だから、失望や落胆はない。ただ、つらかった。好みの問題かもしれない。
            テーマがなぁ。
            この芝居さぁ、さすがに検索が怖くて書けない感じのコトバがテーマにも見えるじゃん。
            脚本がなぁ。
            キメ台詞は、ここぞっていう時に主人公が大切な人に向かって一度だけ言うからいいんじゃん。それぐらい、たかが二次創作の作者だって知ってるぜ。
            テーマ何度も言語化しすぎ。
            納得できないディテールが残って気持ち悪い。
            そしてビミョーな権威主義がにじむ。
            前半丁寧すぎて後半つじつま合わせすぎ。

            言うねぇ。
            じゃあ、アンタだったらどうするよ?

            おっ!?
            よくぞ聞いてくれました。
            俺だったら、この一時間半の話を10分でまとめるね。
            んで、そこから始まる、柴田と吉澤の恋っ!!!
            サヤカはさぁ、もうホレてたよね美咲に?
            つか、一家全員、吉澤にホレるわけ。超モテ吉のラブコメ。うん、それだっ!
            その壮大な予告編だったんだよ、これは。
            組織をとるか個人をとるか、恋か仕事か、ルールか想いか、
            自分勝手になりそうな自分、ルールを破りたくなる自分。
            年上の人は敬いたいからパパさんやママさんからのデートの誘いは断れない!
            でも私の好きなのは、サヤカなの!みたいなw
            や、まじめな話、そーゆー吉澤の当事者性が薄くてさ。
            主演の人間の葛藤があって初めてこのテーマが生きるんじゃねーの?
            なんて思いました。


            (23:30追記)
            柴田さんの演技は初めて観たがとてもよかった。
            実質的に柴田主演と言っていいと思う。吉澤がよくなかったという意味ではなく。
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            白虎隊で吉澤が戦っていたもの

            2007.10.14 Sunday 14:12
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              白虎隊の千秋楽、吉澤は疲れているように見えました。
              明らかに置きにいってるセリフ。微妙にズレるタイミング。
              調子の悪い時のガッタスでの吉澤を見るようなそんな気持ちがしました。

              カーテンコールでは、やりきった喜びの表情を見せてくれました。キャストたちの空気もよく、あたたかい気持ちになりました。でも、呂律がまわっていない。挨拶も「どうだ!やってやったぜ」っていう突き抜けた感じはない。受け止めて、返すようなやわらかなもの。そして吉澤は里田に柴田に包まれる。

              勝利の剣を太陽にかざすような挨拶ではなかった。剣を鞘におさめるような締めくくり。
              「やりきった」という達成感は吉澤の表情にありました。その喜びも。
              でも、吉澤は、何を、やりきったんだろう?
              吉澤の達成感は、何に対する達成感なのか。
              言い換えると、こうです。
              この芝居で、吉澤は何と戦っていたのか?
              ひとつの仮説を書きます。

              この芝居の吉澤は「苦しそう」でした。
              なんで「苦しそう」と思ったかというと、やっぱり、演じきれてなかったんですよね、役柄を。役柄に入ってなかった。なんでそう思ったかというと「アドリブ」です。

              アドリブには2種類あると思います。
              役柄として言うものと、役者として言うもの。
              今回、ぜんぶ、後者なんですよね。リボンで「大臣」として麻琴をいじっていたのとは大違いです。この芝居のアドリブはぜんぶ「吉澤ひとみ」として言っていました。フットサルのポーズ然り、メロン云々然り。あれは「斉藤美咲」とは無関係。そして、その「斉藤美咲」と関係ないアドリブ部分で舞台を盛り上げるしかなかった。これは役者としては苦しかったと思います。

              象徴的だったのは2日目、長男が飲みながら牛乳を自分のシャツにこぼした時のアドリブ。

              吉澤は「衣装、臭くなるよ」って言ったんです。客は笑いました。
              メイドなら「衣装」じゃなくて「服」というべきだった。
              そして「臭くなりますよ」と言うべきだった。
              でも。
              「斉藤美咲」としての「服、臭くなりますよ」ではきっと笑いはおきなかったと思う。
              牛乳をこぼしながらゴクゴク飲む男を見て、「ステージ上で素に戻ったよっすぃ」が思わずつぶやいた風のアドリブだったから、みんな、笑ったんだと思う。そして吉澤もそれをわかっていた。だから「吉澤ひとみ」として言った。言うしかなかった。

              吉澤にもっとスキルがあれば、「斉藤美咲」として笑いのとれるアドリブを開発できたかもしれません。これは吉澤の能力の問題とも言えますが、吉ヲタの贔屓目を差し引いても脚本中の「斉藤美咲」という人物設定の薄さと無縁ではないように思います。

              吉澤リーダーのライブのMCが毎回変化に富んで私たちを楽しませてくれたように。
              吉澤座長もアドリブで私たちを楽しませようとした。
              脚本と演出が稚拙だったから。
              脚本と演出に沿っているだけでは観客を楽しませることは無理だと思ったから。
              そもそも、デンジマンさんが書いていたように、アドリブがないと成り立たない芝居なんておかしいわけで、吉澤は本来しなくてもいい苦労を背負って(しょって)しまった。

              そして、そのアドリブは「斉藤美咲」ではなく常に「吉澤ひとみ」が言うしかなかった。
              だから、この芝居における吉澤のエネルギーは、いかに演じるかではなく、いかに両立させるか、に注がれていた、というのが私の見方です。舞台の上で「斉藤美咲」と「吉澤ひとみ」を同居させること。結果的に吉澤に求められていたのはそういうことでした。定型化されたアドリブはもはやアドリブではなく、ただの日替わりのセリフ。吉澤は「斉藤美咲」と「アドリブを楽しむ吉澤ひとみ」の二役をやっていた。一人二役だった、吉澤だけこっそりw
              そんなの「芝居」じゃないっすよ。盛り上げるために、主役が役に入り込まないことが必要だったなんて。

              結論。
              吉澤の達成感は、隠れ一人二役を演じきった達成感だったと思います。
              「斉藤美咲」を演じきった達成感ではなく。
              そういういびつな負荷と吉澤は戦っていた。
              「平成レボリューション〜バックトゥザ・白虎隊」はそういう芝居でした。
              疲れないわけはないです。
              心からお疲れさまと言いたいです。

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              せんべいとどら焼き〜オリビアを聴きながら・初日〜

              2007.11.28 Wednesday 23:33
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                芝居が終わって、出演者の誰よりも深く頭をさげた吉澤の肩が印象的だった。
                細かったけど、固くなかった。余計なものをしょってなくて。
                シンプルな衣装そのままのシンプルな空気を吉澤は出していて、それが見ていて気持ちよかった。
                短くなった髪はおじぎをすると金色の環になった。金色に輝く丸いオーラ。
                前回の芝居が唐辛子せんべいだとしたら今回はどら焼き、というか。
                しっとりやわらかく存在していた。はむっと噛みつきたいような存在感。そして中には、餡もしっかりありますよって感じ。

                あいさつのとき座長の森口さんが話しているのを見てる吉澤、すごい自然だった。見ていてなごんだ。ごく短かったサブリーダー時代ってこんなだったかなって思い出そうとしたけど、うまく思い出せなかった。準主役っていう意味ではサブ的ポジションだけど年齢でいったら出演者のなかで最年少。やっぱサブリーダー的とは言えないな、と自問自答。うん、そういう立場的なことじゃないな。吉澤さんって容姿は派手だけどキャラ的には実は脇役キャラじゃん?悪い意味じゃなく。必ずしも中心にいなくても(いてもいいけど)他者との関係性のなかで持ち味が輝くという意味での脇役性。俺はそれを吉澤さんの頭のよさだと思ったりしています。話がそれた。

                ポジションはともかくとして、吉澤のやわらかさを感じる瞬間がいくつもあった。そう、やわらかさ。この芝居、2組のカップルの愛とか別れとか再認識とかそーゆーことがテーマなわけだが、固さとやわらかさっていう軸で見たら面白いと思った。少年のようなココロってやわらかい心だと思うし。突き放すのは、固さ。歩み寄るのは柔らかさ。イイカゲンさだってやわらかさだ。そして大事なアイテムは島の伝説の「石」。石は、固い。石は、割れる。でも人のココロは一度割れても・・・・。

                それにしても吉澤とアヤカのメロディーズが見れたとは。
                そしてその後の森口の歌!
                森口の「ここSSAだっけ?」と思わせる唄い方はすげーなぁと思った。
                吉澤とアヤカにあの会場を広く錯覚させるスケール感、いい意味でのハッタリ力があればもっとすばらしいんじゃないかと思いました。

                ていうか。
                新婚旅行だよ?
                すげー年上のオッサンだよ?仕事で忙しいんだよ?
                俺じゃん。俺だよそれ。そこまで年上じゃないし社長でもないけど広い意味で俺。誤差の範囲で俺。
                よしざわぁああああああっ俺、俺、俺、俺と結婚して南の島行ってくれぇえええええええええ、と、叫びたくなるのを必死で押さえました。てか俺、オウム役やりてー。

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                歌と吉澤と森口

                2007.11.30 Friday 01:21
                0
                  「オリビアを聴きながら」と「音楽ガッタス1stアルバム&新アー写」。
                  一見関係ないこの2つをたまたま同時に考えていたらちょっと見えたことがあった。
                  それは「歌と吉澤」という視点。
                  ネタバレなしで書くつもりです。

                  初日に続き「オリビアを聴きながら」の二日目。
                  芝居のあとに歌のコーナーが5曲あって、座長の森口さんは最後の2曲を歌う。
                  1曲目の紹介で森口は「この曲は私が初めてNHKの紅白歌合戦に出た時に歌った歌です」と言った。
                  2曲目の紹介はこうだ。
                  「実はこのお芝居の初日に、私の二年半ぶりの新曲が出ました」

                  森口が「紅白歌合戦」って言った時、俺は「森口は今年出られないだろうし、これからもずっと出られないかもしれないのに、その番組名を言うってなんかイタいな」と思った。でも、あとからじわっと、彼女はそれを誇りに思い、大事に思ってるということを素直に表明したのだから、カッコ悪いことなんてない、と思いなおした。森口の歌手としてのプライドを感じた。

                  2曲目の「二年半ぶり」っていうのだってそうだ。しばらく出せなかった、ニーズがなかったというイタさよりも、二年半ぶりにシングルを出せたことのすごさに拍手を送りたくなった。ふつー、それだけブランクあったら出せないで終わるのではないだろうか。おそらく優秀で彼女思いのスタッフがいるのだろう。優秀なスタッフが、タイアップもついて、カップリングは彼女の作詩というシングルを実現させたのだろう。

                  ヒットに恵まれるのは、運かもしれない。でもスタッフに恵まれるのは、運じゃないだろう。タレントの努力や意思のチカラが大きいと思う。森口にはそれがあったのだと思った。尊敬。

                  芝居と歌、シニアグラフィティの2時間あまりのステージで、自分にとっていちばん印象的なセリフは、実は、芝居じゃなくて、この森口のMCでした。
                  「二年半ぶりの新曲」
                  吉澤にいつか言ってもらいたい言葉だな、これ。
                  いつも目立っていなくてもいい。ヒットチャートに一喜一憂していなくていい。
                  でも、自分にあった仕事があって、チャンスがあれば、歌だって出せる。ヒットだってするかもしれない。そして、なにより、歌う場がある。世間に開かれたステージで。

                  なんかねー、そーゆー吉澤さんでいて欲しいって思ったんだ。
                  歌と吉澤の距離が、森口さんみたいに「二年半ぶり」に歌を出せる距離であリ続けてほしいって思った。

                  目線を転じれば音楽ガッタスですよ。
                  エッグにとっては踏み台で、フットサルメンバーにとっては番外編。
                  自然消滅が見えてて、誰にとっても「本業」ぽくないユニットをまるで続くかのように扱う嘘くささ。GOODという言葉を選んだ人の潜在意識には罪悪感があるような気がする。

                  アー写の並び、ひどいよね。怒り通り越して脱力。GOODSALってほんとヤなダジャレだなぁ。せめて名詞にして欲しい、「食べ物大好きFOODSAL」とかさぁ。GOODって価値じゃん規範じゃん、FOOTとフェーズ違ってっからダジャレとしてもダメなんだよ。
                  売ろうとしてる。売られようとしてる。資本主義だからしょうがない、それは。
                  でも、「二年半ぶりの新曲」って言葉は音楽ガッタスにはないよね。そんなにもたない。そこまでもたせるつもりはないだろう。それが悲しいんだ。つまりさ、使い捨てってことだもん。その時楽しければいいって思うのは、何かを使い捨てにすることだ。俺は彼女たちを使い捨てにしたくない。事務所の使い捨て戦略に加担したくない。でも、CDやDVDは買うよ。だって好きだから吉澤さんが。見たり聴いたりしたら、かっけーとか思うよ。矛盾。せつないなぁ。

                  音楽ガッタスの使い捨て戦略に加担したくない、と書いた。
                  でも、そもそも俺は音楽ガッタスヲタではなくて、吉澤ひとみヲタなんだ。
                  だから、音楽ガッタスの心配はしなくていいんだ。吉澤の心配だけしていれば。
                  もっと言えば、歌と吉澤の距離の心配だけしていればいいんだ、音楽ガッタスがどうなろうと。その一点を不透明なゴミの向こうに見つめる。見えない。でも見る。諦めない。つまり祈る。
                  そういう視点を俺はきょう、森口から学んだ。

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                  オリビア千秋楽

                  2007.12.02 Sunday 23:49
                  0
                    昼・夜行ってきました。
                    泣いてるみたいな声が出ちゃうのーのびのびしたあなたをみとめるとそうなるの♪
                    って感じで、のびのびしたよしざーさんを見て、こっちまでのびのびした気持ちになった。

                    単にのびのびしてただけならたいしたことはないのだが、他のキャストと同じ濃度でのびのびしてたのが意外とすげーじゃん吉澤、と思った。空気すごい読めてたと思った。
                    たとえば、最後のトコで夫役の坂本さんが「おばあちゃん」って言うべきところを「おばちゃん」って言っちゃったとこあったじゃん?それを大森さんがさんざんいじって盛り上がって、直後シャワールームから出てきてすぐの吉澤のセリフ、どーするだろ?って注目してた。台本は「あたしっておばあちゃんだったんだ」だけど、いっちょノリツッコミ的にアドリブで「あたしっておばちゃんだったんだ、へー」みたいに変えてさらなる笑いを取りに行ったりするかなぁ吉澤って思って見てた。そしたら小細工なしの台本通りだった。そこはそのほうがすっきり進行してよかったと思ったので、なんか勝手に「ナイス判断!」と三塁ベースコーチが両手をパンパン叩くような気分になった。

                    脚本も演出も緩急のつけ方や展開のアクセントとかさすがって感じでちゃんとしててよかった。坂本さんとよしざーが最終的にはわかりあうところで夫に思い切り感情移入してしまう。自分が夫だとしたらあんなふうに言われたら泣くなぁ。「これからは、ちゃんと話して」って。あうー。

                    いいカンパニーに参加できてよかったなぁと思いました。「今年は3つ舞台の仕事があったけどぶっちゃけいちばん気楽でした」ってそりゃそうだね。苦笑。今ごろナイス打ち上げで酒飲んでるのかなぁ。最年少、リーダー、座長、サポーター、先生、キャプテン。いろんな肩書きの若干22歳。最年少の顔と最年長の顔。どっちもかっけーっす。

                    そんで、きょうも自分の体重ネタやってたなぁ。冗談ぽい口調ながら「みなさんすみませんでした」とまで。俺にはそれが「ご心配かけました、もうだいじょぶです」に聞こえた。でもやせすぎも気になるので、「もう太りませんから」的なことをアピりすぎるのも逆に心配。自分の言葉で自分を縛らないでね、とか思いました。どうせなら「また太るかもしれないけど世露死苦!」の方向でネタにしてもらいたいです。マジでそのほうが安心。

                    森口さん、ありがとう。
                    森口が「モーニング娘。のファンを取りたい」と初日からずっと言ってて、きょうは吉澤のアドリブや堂々とした態度をほめて「アイドルでスポーツもできてアドリブもきいて、これはウカウカしてられない」って多少のリップサービスはあるだろうけど脅威に感じる存在のはじっこにでも入れたなら吉澤ほんとよかったなと思いました。
                    それからどうでもいいけどあのビールって本物?(なわけないか)




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                    東京アリスゲネプロ

                    2009.05.08 Friday 18:02
                    0
                      一番大切なものについての芝居が、ヲタの一番大切なものをわかってなかった。。。。

                      (帰ってから続き書きます。体力あったら。)


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