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    シャーペンと人間

    2011.02.27 Sunday 22:08
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       国際展示場駅に着いたのが3時ごろ。2時38分に35キロ通過とwebで見ていたから、急がないと。人の流れに乗ってけば着くだろと思ってたら
      「こちらからは観覧ゾーンに行けません!」と叫ぶ係員。えーえーえー?
      一応、公式サイトから当日の歩行者用の交通規制が書いてある地図を出力して持ってきていたが、そもそも見ていなかったので自分が今どこにいるのかわからない。ともかくそこから一段下の地面に降りなければならないらしい。小さなエレベータが一台しかない。並んでる。ウサギのかぶりものをした集団が。色が赤いので石川さん関連じゃないなと思ったりしながら並ぶ。ウサギの人々だけでなく、お揃いのユニフォームやTシャツの人が多くて、そこから醸し出されるコスプレ的かつチーム愛的な高揚感が空気に充満している。あと、汗。

      そんな状態だったからゴール手前150メートルぐらいにある観覧ゾーンにたどりついたのは3時15分ごろだったかもしれない。吉澤がゴールしたあとに辿り着くのも逆においしいと思ったけど、吉澤はまだゴールしていなかった。

      本当はFINISHゲートのところで表情を見たかったが、そこは一般人は行けなかった。
      手前のスタンド席も入場制限で並んでる。会場の空気はのんびりとしたものだったけど、みんな、だれかの応援に来ているわけで、おばあちゃんもおじさんもおばさんも若者もお母さんもお父さんも小さい子も、基本は天気のいい休日のお出かけモードなんだけど、根っこに、ある種の真剣さと「熱」があった。

      柵の後ろから見ることにした。
      柵の後ろに人が3重ぐらいに重なってる。おずおずとその後ろにつくと、すぐ前のひとが帰っていったので少し前に行けた。そしたらその前にいた人も数分後に帰った。だから柵の最前に行けた。

      ランナーはほとんど歩いてると言っていい感じ。
      張り詰めた空気ではなく、なごやかで「あーがんばっちゃったよ、俺(あたし)」っていう満足感&照れの表情で歩き走り。柵のところの知人が声をかけたら、立ち止まってしゃべって写真撮影したりする人も。道の向こう側は空色のピカピカ光る服を来たブラスバンドがいて、ゴールに向かうランナーを励ますように音楽を演奏。突然手前に浴衣姿の阿波踊りの人々が登場。踊ったりした。東京マラソン恒例だそうだ。お祭りなんだなぁと思った。天気もよくて、ブラスバンドの生演奏もあって、たこ焼きやケバブの屋台も出てて、会場のMCの男女も軽やかにランナーをいじりながらトークを展開している。

      ブラスバンドがいきなり「負けないで」を演奏した時は驚いた。
      吉澤、今くればいいのに!!!と思った。

      ていうか吉澤はなかなか来なかった。

      身長と同じぐらいの大きさの十字架を背負って走るキリスト、ゴスロリの女性、ピカチュウ、戦場カメラマンそっくりさん、など、いろんな人が走ってくる。42.195キロのウケ狙いに感動した。いろんな人がいる。

      吉澤はまだ来ない。
      制限時間まであと30分を切ってしまった。

      吉澤に「よっすぃ〜!」って声をかけたかったんだ。
      できることがそれしか思いつかなかった。
      吉澤に力をあげたい。パワー注入したい。そんなこと考えてた。

      途中で棄権するかもと思っていたから、もっと手前の地点に行こうかなと思ったりもしたんだけど「どうせ行くならゴールだろ!?」と内なる声。

      そうだよな。と思って有明へ。

      でもほんとになかなか来ない。あと20分だとMCが言う。
      40キロ通過は確認できたけどそこからここまでそんなにかかるって、もしや、ギリギリで、ギリギリで、本当に棄権?

      いつ来るか、いつ来るか、と人々の群れを見つめる。
      もう通り過ぎてんじゃ・・・まさかと思うがこの俺が吉澤を見逃したってことあるかな?
      まさかそんな・・・・とアイデンティティが崩壊しかけた時・・・・


      重なる人々の向こう側に、吉澤っ!!??あれ吉澤だよね??
      白とグリーン。キャップ。番号。吉澤だ・・・・

      でも、声、かけられなかった。
      張り詰めてて、折れそうで。
      シャーペンの芯みたいだったから。
      シャーペンの芯が、前を見て、グッ、グッ、グッと歩いてた。

      となりにぴったりと女性ランナー(トレーナーのかこさん)がついていて、安心した。
      わからないけど急に吉澤がころんだら支えられるぐらい近くにいてくれた。

      空気は張りつめてだけど、表情は、一言でいえばニガワラっていう感じだった。
      逆か。表情はニガワラなのに空気が張りつめている。

      張りつめてる吉澤を見たことがないわけじゃない。
      ライブだってガッタスだってそう。
      でも張りつめたものの外側に膜が、一応、いつもは、ある。
      外部への意識というか、クッションというか。
      ゴール直前の吉澤は、なんか、シャーペンの芯そのものっていう感じで、
      そういう意味でハッとしてしまって、声、かけられなかった。
      内側と闘っている感じがした。声をかけることはそれを邪魔することのように思えた。

      ゴールして、浅利さんと抱き合って号泣って、だから、すごくわかると思った。
      シャーペンの芯が人間に戻った瞬間。ホッとして。あと、痛みもあったんだと思う、かなり。足、ひきずってる感じはあった。
      トレーナーのかこさんのツイッター:
      「よっしぃもテーピング凄い!と大感激!!脚痛くて痛くて仕方ないのに、よくがんばりました(T_T)」

      ほんとうに、完走おめでとう。泣けます。泣いてます。
      吉澤さんを支えてくれた周囲の方々に感謝。ありがとうございます。

      追伸
      画像置いときます。クリックすると大きくなるです。

      tokyomarathon2011




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