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    理想と現実

    2009.03.07 Saturday 06:02
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      俺、名前の由来、書いたことあったっけ?なかったよね。
      飼育フラレコ時はタイトル略のFR、吉澤とビールは名無しで書いてて、
      ブログを始める時にこの名前に。pt-boil。
      これ、「芋をゆでる」って意味なんです(あくまで自分的に勝手に)。

      boilが「ゆでる」で、ptはpotatoの略(あくまで自分的に)。
      なぜ、芋?

      国木田独歩の「牛肉と馬鈴薯」のせいです。
      「友人たちが一室に集まって理想と現実との優劣論をたたかわす」(岩波文庫解説より)。
      愛すべき明治の青年の青臭さプーンな短編。明治の言葉遣いとかおもしろいよ。
      この短編以外はあまり読んだことがないし、独歩ヲタってわけではない。
      でもこの短編はなぜか好きで。

      牛肉は現実の、馬鈴薯は理想の比喩。
      pt→potato→理想
      清貧とか孤高、高い理念に身体をゆだねる生き方、アンチ世俗のニュアンスもある、この小説では。

      ブログを始めたころ俺はすごく弱ってて吉澤に頼って生きてた。吉澤を見ることで、書くことで。
      それで、というか、それでも、というか、諦めたくなかった、何をって決まってるじゃん人生をって感じで
      現実じゃなくて俺は理想!理想に向かう!!理想を食って生きるぜ、えーーん、
      と最終的には泣くんだやっぱ的痛々しい気持ちで「芋をゆでる」と名前をつけた、自分に。

      「牛肉と馬鈴薯」についてはリボン初日の次のエントリでちょこっと触れてました。
      http://pt-boil.jugem.jp/?eid=121

      びっくりすること。理想と現実。真実の願い。

      生きる希望。

      いろんな言葉が浮き上がってきた。つながるんだろうか。関係ないんだろうか。

      辞書でひいてみた。新明解国語辞典。
      現実:現在当面していて、それを無視することが出来ない事柄。
      理想:実際には実現できないとしても理念としては追求し続けるところの、物事の最も望ましい状態。
      希望:自分がこうなりたい、人にこうしてもらいたいと、よりよい状態を期待し、その実現を願うこと。またその事柄。
      願う:そうであればいいと思うこと(を神仏・他人に伝えて、その)の実現を望む。

      現実の定義、ホレボレします。
      理想と希望の違い、すっきりした。
      現実から理想に向かうとき、その原動力になるのが、希望であり願いなのかもしれないと思いました。

      さて、やっと本題に行きます。
      STBのライブに行って、吉澤ひとみの理想と現実ってことを考えた。考えさせられた。

      15日、夜の部、2回目だけ行った。
      悪い意味で「吉澤ひとみファンの集い」だと思いました。
      ぬるい。内向き。ひとことで言えばそう感じてしまいました。
      去年のSTBはすごい外向きなエネルギーを感じた。キラキラとはじけるような。空気の粒から違ってたと思う。去年のライブは「吉澤ひとみスペシャルワンマンライブ」という名称にふさわしかったと思う。

      16日は行けなかった。
      アーチのこと、その出会いのために、を歌ったことを知って、いろんな人の感想を読んだ。
      なんか想像できた。その場を包む、あたたかなもの。
      感動、とか、共有、とか。
      いちばんの味方であること、とか。
      もしそこにいたら、その日は、上に書いたのとは違った感想を持ったと思う。
      ぬるさが温かさに昇華する何かがあったのだと思う。

      で、15日の2回目ライブに話を戻す。
      吉澤がヲタに甘えている、ような気がした。
      ヲタのこと見すぎ。具体的にも精神的にも。媚ている、と言ったら言いすぎかもしれないが。
      もうすこし好意的に言うなら、ホームの、巣の、やわらかさと温かさを確かめるような吉澤だと思いました。

      もっと置き去りにしてくれよ。ヲタの期待じゃなくて自分自身の期待に応えてくれよ。
      下見るな、上見ろ。もっと遠く見ろ。
      ちょっともどかしかった。

      去年と今年のSTBの違いは何か?
      去年の吉澤は理想を見ていた。
      今年の吉澤は現実を見ていた。
      ような気がした。

      だからと言って、いつでも理想を見てるべきって言ってるわけじゃないです。
      100%現実だけ、理想だけで生きてる人はいない。
      そこに覚悟があれば、目線の先が理想であれ現実であれ、その人は美しい。
      はずだ。
      16日がおそらくそうであったように。

      覚悟:事に臨んで、どんなに危険や困難(不利な立場に立たされること)があったとしても
      見苦しい行動はするまいと心を決めること。またそのゆるぎない心。

      吉澤に対して強く思うことは、ときどき、俺が自分に対して言うべきことと重なる。
      自分自身の期待に応えろ、もっと遠く見ろ、覚悟があれば美しい、はずだ・・・・。
      俺は自分に言うべきことを吉澤にぶつけているだけなのだろうか。
      吉澤ひとみの理想と現実、pt-boilの理想と現実。

      「なんでもないんです。比喩ではよして露骨に申しますが、僕はこれぞという理想を奉ずることもできず、それならって俗に和して肉欲を満たしてもってわが生足れりとすることもできないのです、できないのです、しないのではないので、実をいうとどちらでもいいから決めてしまったらと思うけれどなんという因果か今もってたった一つ、不思議な願いを持っているからそのためにどちらともえ決めないでいます。」
      「なんだね?その不思議な願いというのは?」(中略)
      「僕はこの願いがかなわんくらいなら今から百年生きていてもなんの益にも立たない、いっこううれしくない、むしろ苦しゅう思います」(中略)
      「こいつはおもしろい、早くその願いというものを聞きたいもんだ!」(中略)
      「今に申します(中略)宇宙は不思議だとか、人生は不思議だとか。天地創生の本源はなんだとか、やかましい議論があります。科学と哲学と宗教とはこれを研究し闡明し、そして安心立命の地をその上に置こうと悶いている、僕も大哲学者になりたい、ダルウィンはだしというほどの大科学者になりたい、もしくば大宗教家になりたい。しかし僕の願いというものはこれでもない。もし僕の願いがかなわないでもって、大哲学者になったなら僕は自分を冷笑し自分の顔(つら)に『偽』の一字を烙印します」
      「なんだね、早く言いたまえその願いというやつを!」(中略)
      「言いましょう、びっくりしちゃあいけませんぞ。」
      「早く早く!」
      岡本は静かに
      「びっくりしたいというのが僕の願いなんです。」
      「なんだ!ばかばかしい!」
      「なんのこった!」(中略)
      「なんのことだかわからない!」(中略)
      「宇宙の不思議を知りたいという願いではない、不思議なる宇宙を驚きたいという願いです!」(中略)
      「勝手に驚けばいいじゃアないか、なんでもないことだ!」(中略)
      「勝手に驚けばいいと言われました綿貫さんは。勝手に驚けとはしごくおもしろい言葉である、しかし、決して勝手に驚けないのです。(中略)僕の知人に(中略)吾とはなんそや《What am I?》なんちょうばかな問いを発して自ら苦しむものがあるが到底知れないことはいかにしても知れるもんではない、とこう言って嘲笑を漏らした人があります。世間並みからいうとそのとおりです、しかしこの問いは必ずしもその答えを求むるがために発した問いではない。実にこの天地におけるこの我れちょうもののいかにも不思議なることを痛感して自然に発したる心霊の叫びである。この問いそのものが心霊のまじめなる声である。これをあざけるのはその心霊の麻痺を白状するのである。僕の願いはむしろ、どうにかしてこの問いを心から発したいのであります。ところがなかなかこの問いは口から出ても心からは出ません。(中略)もうよしましょう!だめです、だめです、いくら言ってもだめです。・・・・アゝ、くたびれた!しかし最後に一言申しますがね、僕は人間を二種類に区別したい、いわく驚く人、いわく平気な人・・・・・。」(以下省略 出典:国木田独歩「牛肉と馬鈴薯」岩波文庫)

      宇宙の不思議を知りたいのではない、不思議なる宇宙を驚きたい、という主人公の気持ちは
      なんとなく、わかる。いや、よくわかる。
      俺にとっての宇宙の不思議は吉澤ひとみだから、俺的に言い換えると当然こうだ。

      吉澤ひとみを知りたいのではない、吉澤ひとみに驚きたいのだ!

      吉澤ひとみを見たいのではない、吉澤ひとみに見とれたいのだ!


      「驚く人」の反対語が「平気な人」というのも深い。安易に考えると、驚く人の反対は落ち着いた人、とかになりそうだ。でも、平気な人、なんだ。つまり、鈍感な人。
      勝手に驚けない、というのも深い。そう言われてみればそうだ。さて、驚くか、というふうに人は驚けないものだ。

      そして、引用部分のあとも会話は続く。
      「驚く人」の主人公がやがて発する言葉と表情。それを見ていた者の目線。そこでこの短編はスパッと終わる。

      俺は驚く人でありたい。平気な人ではなくて。
      吉澤にも、平気な人にはなってほしくない。

      俺は自分に言うべきことを吉澤にぶつけているだけなのだろうか。
      理想と現実の間を右往左往しながら、
      What am I?と問いかけている。問いかけようとしている。

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