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吉澤からのメッセージが店内に飾ってあるという青山の期間限定アシなんちゃら
のお店に行ってきた。俺はいま、なんとなく人生に行き詰まりを感じていて、
突破口が欲しかったのだ。吉澤からのメッセージ。
吉澤が手にし、見つめ、ペンを走らせた紙がそこに貼られているんだ。
その前に立ち、吉澤の字を読めばドーンドーンと花火が上がり、進むべき道がパーっと虹のように現れるのではないか。
そして俺は今日から生まれ変わって歩いていけるのではないか。
そうだそうに違いない。
すがるような気持ちで、俺は雨の中、青山まで出かけた。
ちなみにアシなんちゃらはジョグリなんちゃらという番組と
関係の深いスポーツメーカーさんだ。
検索でアシなんちゃら関係の方がここに来て変な文章を
読む羽目にならないように配慮したキリッ。
表参道A4出口を出て、くるっと曲がって歩いていくと、あったあった。
駐車場にコンテナを直角に並べてる。カフェ的なワゴンがあって、中央には
パラソル的なものと小さなテーブル。雨だし、特にイベントを
やっている時間ではなかったせいで、関係者ぽい人々が三々五々しゃべっている感じ。
ふむ。正面のコンテナはイベントスペースぽくて今は動きがない。
左のコンテナは、お店のようで、中に人がいる。でも。
でもでもスポーティな感じの女性ばっかである。ここ、がっつり女性向けコンセプトなのね。レディースしか置いてないです。
しかもコンテナだから小さいわけ。幅2メートル長さ5メートルぐらい。そこに
ウエアと小物が並んでいて、今にも走り出しそうな女性店員さんが3,4人。
気付かれずに入るのは無理だ。仕方ない。スポーツオーラがゼロどころかマイナス500
の俺がのっそりとドアを開ける。
いらっしゃいませ、と言ってくれる。
見渡す。「ほほぅ、興味深い」という表情で、全体をゆっくり見渡すふりをしながら高速レーザーで
吉澤メッセージを探す。まずアサリさんのを発見。ふーん、という風に眺めながらも
店員に何か言われる前に、と焦って目線は動く。呼吸困難になりそう。
次に見つけたのはQちゃんの紙。うむ。あー店員さんに話しかけられたらなんて言おう?
彼女にプレゼント?どうしようどうしよう、
競合メーカー社員の偵察なんだけど悟られないようにがんばって無表情にしてるっていう設定はどうだろう、
それいいかも、しかし、俺は姿勢も悪いしスポーツオーラがとにかくない、あぁ考えてる時間が惜しい、
一歩奥へ、奥へ行こうでもあと3歩で店なんか全部だぜ、どこだ、どこなんだ吉澤ぁああああっ
「あの、もしよろしかったら」
「はいっ????」
ついに話しかけられてしまった。
「こちら、東京マラ☆ン公認バナナです。どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
バナナくれたーーーーーーーーーっ
東京マ☆ソン公認バナナ「ラカ○ンバナナ」
「走ったりされるんですか?」
「いや、、、その、、、、知ってる人が、、、マラソンに、、、モゴモゴ」
「ええ、どうぞ見ていってください(にっこり)」
五次元的な会話のあと、ゆっくりした足取りで必死に電波飛ばすと店の左奥の角のところにあったぁあぁあああっ吉澤の色紙!
「Let's enjoy running!」
スマイルマークにピースのイラスト。
ああああ、イラストかわええええええええっでもメッセージは定番だったぁああああああ。
走ることを楽しみましょう。
それを噛みしめながらふと顔をあげて、紙の右サイドの壁に目線を動かすと、一枚の写真が目に入った。ウエアがかけてあるハンガーのところにハガキより一回り大きいぐらいの写真がちょこんと乗っている。吉澤だ!袖が黄色で身体が紫色のウインドウブレーカーを着て立っている。
ここで撮ったみたいな感じ。
かわええええええええええええっ
凝視したいが俺には時間がない。
凝視する。凝視する。自然と不自然の間のコンマ0秒の勝負。
あの空間で「写真撮っていいですか」と聞く勇気がなかった。
あー、俺さわやかキャラだったらなぁ。そしたら、スッと言えたのかもしれないなぁ。
変に緊張しちゃってたから余計ハードル高く感じた。はぁ。
そっと店を出た。
レッツエンジョイランニング。
走れってことかな。
身体動かせってことかな。
行き詰まってないで。
とか解釈しました。
そんで、帰宅して、さっきバナナ食べましたとさ。
バナナはいつもこうしてナイフとフォークでいただくpです。
甘すぎなくてさっぱりしてておいしかった。吉澤もこれ食べたのかな。
そして……今ふと思ったんだけど、最初から「吉澤ひとみさんのファンで」と言えばよかったんだよね。
アホだ。
なんだかな。思考が固くなっている、それこそが行き詰まりというものであろう。
動かそう。頭とココロ。ありがとう吉澤。
「完走できたらいいな」と思っている。願っている。祈っている。でも「完走してくれ」とは思ってない。
俺がいま一番恐れているのは、無理して完走して吉澤が膝に大きなダメージを負うこと。
ひどいダメージを受けるくらいなら、途中で走るのをやめてほしいと思う。
だって、そしたら、また練習できるじゃん。完走できたとしても、今後、本格的な運動ができなくなるようなダメージを受けるのが怖い。
『今回フルマラソンは初めてで、去年の11月頃からトレーニングは始めたんですけど、1回腰を痛めてちょっとお休みしてしまって、それからまた膝を痛めて練習できなくなってしまったりして、ペースがゆっくりになってしまったんです。なので膝の痛みがどれだけ出るかってのがあるんですけどでもとりあえず時間内完走、7時間くらいなんですけど、それを目標にやろうと思ってます』(週刊NY生活より)
行間から悲壮感が漂ってると思うのは俺だけ?
あの吉澤が、時間内完走が目標、なんてことを言わなきゃならないような状態。
走れるとこまで走って(だから最初はハイペースかもしれない)、膝、痛くなったら、歩く(ヒジはちゃんと引いてフォームはできるだけキープしつつ)というつもりなんじゃないかな。
正直、無理なんだと思う。今の吉澤にフルマラソンは。
日本人は言霊信仰が強いから、こういうふうにみんなが望んでいないことを言葉にすると、
非難されたりする。まるで「言葉にすること」=「その現実を引き寄せようとすること」であるかのように。
でも、だからって、ただ望ましいイメージを言葉にするのがいいことだと思えない。
問題は・・・・
完走できないかもしれないと感じている、今の吉澤のプレッシャー。
完走できなかったときの吉澤の気持ち。
そのときに俺に何ができるのかという無力感。
兵藤さんと言えば、吉澤的に「大人とは何か?」について学ぶことが多かった「美女放談」が思い出される。兵藤さん相手だからこそ、正直な気持ちが口をついて出たのかもしれない。
このインタビューの時にオフレコで「もし完走できなかったら・・・」みたいな話をしてたらいいな。
兵藤さんから、そういう場合のアドバイスもらってたらいいなと思う。
「ファンの人も関係者も、あなたが精一杯やったことはちゃんとわかってるから」と。
そして、ジョグリスの人も、事務所の人も、一応、そういう場合のこと考えてくれてると信じてます。
結果っていうのは、プロセスでもある。
練習がじゅうぶんにできなかったら結果は出ない。吉澤はそういうこと知ってる人だと思う。
だから、つらい。
だから、再び挑戦できる状態でレースを終えてもらいたい。
完走できたら素晴らしいと思う。でも、もし棄権という判断が適切な場合は、関係者の方々は吉澤にきちんと指示してほしいと思っています。吉澤さんがずっと「負けず嫌い」のスポーツ大好き美人でいるために。
国際展示場駅に着いたのが3時ごろ。2時38分に35キロ通過とwebで見ていたから、急がないと。人の流れに乗ってけば着くだろと思ってたら
「こちらからは観覧ゾーンに行けません!」と叫ぶ係員。えーえーえー?
一応、公式サイトから当日の歩行者用の交通規制が書いてある地図を出力して持ってきていたが、そもそも見ていなかったので自分が今どこにいるのかわからない。ともかくそこから一段下の地面に降りなければならないらしい。小さなエレベータが一台しかない。並んでる。ウサギのかぶりものをした集団が。色が赤いので石川さん関連じゃないなと思ったりしながら並ぶ。ウサギの人々だけでなく、お揃いのユニフォームやTシャツの人が多くて、そこから醸し出されるコスプレ的かつチーム愛的な高揚感が空気に充満している。あと、汗。
そんな状態だったからゴール手前150メートルぐらいにある観覧ゾーンにたどりついたのは3時15分ごろだったかもしれない。吉澤がゴールしたあとに辿り着くのも逆においしいと思ったけど、吉澤はまだゴールしていなかった。
本当はFINISHゲートのところで表情を見たかったが、そこは一般人は行けなかった。
手前のスタンド席も入場制限で並んでる。会場の空気はのんびりとしたものだったけど、みんな、だれかの応援に来ているわけで、おばあちゃんもおじさんもおばさんも若者もお母さんもお父さんも小さい子も、基本は天気のいい休日のお出かけモードなんだけど、根っこに、ある種の真剣さと「熱」があった。
柵の後ろから見ることにした。
柵の後ろに人が3重ぐらいに重なってる。おずおずとその後ろにつくと、すぐ前のひとが帰っていったので少し前に行けた。そしたらその前にいた人も数分後に帰った。だから柵の最前に行けた。
ランナーはほとんど歩いてると言っていい感じ。
張り詰めた空気ではなく、なごやかで「あーがんばっちゃったよ、俺(あたし)」っていう満足感&照れの表情で歩き走り。柵のところの知人が声をかけたら、立ち止まってしゃべって写真撮影したりする人も。道の向こう側は空色のピカピカ光る服を来たブラスバンドがいて、ゴールに向かうランナーを励ますように音楽を演奏。突然手前に浴衣姿の阿波踊りの人々が登場。踊ったりした。東京マラソン恒例だそうだ。お祭りなんだなぁと思った。天気もよくて、ブラスバンドの生演奏もあって、たこ焼きやケバブの屋台も出てて、会場のMCの男女も軽やかにランナーをいじりながらトークを展開している。
ブラスバンドがいきなり「負けないで」を演奏した時は驚いた。
吉澤、今くればいいのに!!!と思った。
ていうか吉澤はなかなか来なかった。
身長と同じぐらいの大きさの十字架を背負って走るキリスト、ゴスロリの女性、ピカチュウ、戦場カメラマンそっくりさん、など、いろんな人が走ってくる。42.195キロのウケ狙いに感動した。いろんな人がいる。
吉澤はまだ来ない。
制限時間まであと30分を切ってしまった。
吉澤に「よっすぃ〜!」って声をかけたかったんだ。
できることがそれしか思いつかなかった。
吉澤に力をあげたい。パワー注入したい。そんなこと考えてた。
途中で棄権するかもと思っていたから、もっと手前の地点に行こうかなと思ったりもしたんだけど「どうせ行くならゴールだろ!?」と内なる声。
そうだよな。と思って有明へ。
でもほんとになかなか来ない。あと20分だとMCが言う。
40キロ通過は確認できたけどそこからここまでそんなにかかるって、もしや、ギリギリで、ギリギリで、本当に棄権?
いつ来るか、いつ来るか、と人々の群れを見つめる。
もう通り過ぎてんじゃ・・・まさかと思うがこの俺が吉澤を見逃したってことあるかな?
まさかそんな・・・・とアイデンティティが崩壊しかけた時・・・・
重なる人々の向こう側に、吉澤っ!!??あれ吉澤だよね??
白とグリーン。キャップ。番号。吉澤だ・・・・
でも、声、かけられなかった。
張り詰めてて、折れそうで。
シャーペンの芯みたいだったから。
シャーペンの芯が、前を見て、グッ、グッ、グッと歩いてた。
となりにぴったりと女性ランナー(トレーナーのかこさん)がついていて、安心した。
わからないけど急に吉澤がころんだら支えられるぐらい近くにいてくれた。
空気は張りつめてだけど、表情は、一言でいえばニガワラっていう感じだった。
逆か。表情はニガワラなのに空気が張りつめている。
張りつめてる吉澤を見たことがないわけじゃない。
ライブだってガッタスだってそう。
でも張りつめたものの外側に膜が、一応、いつもは、ある。
外部への意識というか、クッションというか。
ゴール直前の吉澤は、なんか、シャーペンの芯そのものっていう感じで、
そういう意味でハッとしてしまって、声、かけられなかった。
内側と闘っている感じがした。声をかけることはそれを邪魔することのように思えた。
ゴールして、浅利さんと抱き合って号泣って、だから、すごくわかると思った。
シャーペンの芯が人間に戻った瞬間。ホッとして。あと、痛みもあったんだと思う、かなり。足、ひきずってる感じはあった。
トレーナーのかこさんのツイッター:
「よっしぃもテーピング凄い!と大感激!!脚痛くて痛くて仕方ないのに、よくがんばりました(T_T)」
ほんとうに、完走おめでとう。泣けます。泣いてます。
吉澤さんを支えてくれた周囲の方々に感謝。ありがとうございます。
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